万年筆が気になり始めたら|♯4. 色インキ見本帳

ELABO エラボー 字幅の強弱が表現できる日本語に適した万年筆 万年筆エラボー

筆のような筆致を万年筆で実現

1978年に誕生した初代エラボー


理想的な書き味の万年筆を開発するため試行錯誤を重ねるうちに、資料は次々と増えていきました。


「つけペン」の書き味がエラボーのアイデアの基となりました。

美しい日本の文字を書くための、
最高の書き味の万年筆を求めて

  1970年代、パイロットは全国万年筆専門店会から提案を受けました。提案の内容は、「筆記具の販売店が自信を持って”売りたい”と思える万年筆が欲しい。」「日本の文字を万年筆でも美しく書きたい。」というもの。万年筆は欧米の横書きの文化の中で生まれた筆記具ですが、日本の文字はもともと毛筆で縦書きするものです。万年筆で“とめ”や“はらい”を美しく表現するためには、毛筆特有の筆圧をかけなくてもゆるやかにしなる筆先が必要でした。そんな「日本の文字を表現するのにふさわしいペン先」を創るために、パイロットと全国万年筆専門店会の共同開発が始まりました。


開発に6年をかけた新しい万年筆

  しかし、その要望を形にするのは困難で、筆の書き味を持つ独特のペン先の形状を作り出すために、日本人の平均的な筆圧に合う弾力を模索しながら金型は数回にわたって作り直され、開発に6年の歳月を要しました。エラボーの書き味は、インク壷にペン先をつけて使用する“つけペン”の書き味を参考にしたといわれています。ペン先に隆起をつけたことにより、強い筆圧でたわませるとペン先とペン芯が大きく離れますが、その場合にもインク流量を充分に確保するために組合わせペン芯の構造を採用しました。落し込嵌合のキャップにも当時の新技術を盛り込み、インキの蒸発を防ぐ構造を生み出し採用しました。
長い開発期間を経て1978年に発売されたエラボーは、筆の筆致にも似たしなやかな強弱を表現できる、まったく新しい万年筆として評判になりました。


現行(3代目)

初代エラボー

日本の文字のために生まれた万年筆

万年筆についてもっと知りたい方はこちらも合わせてご覧ください。

「万年筆の文字には、書く人の心が表れる」

  “日本の文字のための万年筆”というアイデアが生まれ、パイロットがエラボーの開発に着手したのは1972年。当時は万年筆やつけペンに変わってボールペンが主流になりつつあった時代ですが、「だからこそ、筆記具としての万年筆の良さを再認識してもらえるような製品を作ろう」と、設計グループは心血を注いだといいます。万年筆の開発に長年関わってきた技術者は、「文字には人の感情が表れるものだが、しなやかなタッチのエラボーは書き手の心をより率直に表現する」と語ります。しなり、たわみが生み出す独特の書き味は非常に珍しいもので、「長く生産を続けてほしい万年筆」とエラボーを愛好するファンも多くいらっしゃいます。
  様々な書き味、表情を持つ万年筆ですが、自分に合う万年筆を探すには、まずは手に持ち、重さや太さなどのバランスを確かめます。さらに用途に合わせてペン先の太さや固さを選びます。一般に、重量があっても書くときに軽く感じるものは良い万年筆だといわれます。メンテナンスをしながら丁寧に使えば、親子三代に受け継ぐこともできる大切な逸品となります。

2009年、さらに洗練の極みへ

ソフト調万年筆として30年以上のロングセラーに

  1991年には新規パーツを採用してペン芯は単体構造となり、キャップもネジ式嵌合に変更し、初のリニューアルを行いました。2009年には大容量のコンバータ(CON-70N)が装着可能で、外装が樹脂製から真鍮製に変わり、より現代的なデザインに進化した3代目が誕生しました。2度のリニューアルを経ても、万年筆の命であるペン先には初代から基本設計そのものに大きな変更はありません。エラボーは30年以上前の開発当時から、ソフト調万年筆として高い完成度にあったのです。




万年筆へのこだわりと、長い開発期間が30年以上愛されるロングセラーを生み出しました。

30年以上変わらない完成度の高さ

独創的形状、独自の書き味で根強い人気

リニューアルを重ねて3代。ゆるやかに進化した万年筆

  発売当時からの基本設計に大きな変化はないものの、製造技術の進歩や時代のニーズを反映して少しずつ変化してきたエラボー。高級筆記具としての存在感はより高まり“長く大切に使いたい1本”として、今も変わらず愛されています。

初代エラボー
Original ELABO

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現行エラボー
Current ELABO

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Original ELABO

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1978年 初代エラボー

世界で始めて生み出された独特の形状

独特なペン先の形状

中ほどで隆起する独特の形状。これが万年筆でありながら毛筆のような“しなり”を生み出すエラボーの特徴。2代目以降は、ペン先が大きくなり、ペン先の切り割りは初代よりも1mm深くなり、全体の形状も丸みを帯びました。このリニューアルにより、ソフト調の傾向がより強くなっています。

Current ELABO

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2009年 3代目エラボー

さらに丸みを帯びた、美しい14Kのロジウム仕上げ


Original ELABO

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軽い樹脂で成形され3代目よりもやや細身でエレガントな印象

高級感を高める真鍮を採用

初代では軽い樹脂が採用されましたが、3代目では金属に。真鍮にパールや、メタリック塗装を施し、より高級感を高めました。ボディの自重があるために、軽い筆圧で筆記することができます。

Current ELABO

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大容量の70型コンバーター(CON-70N)を装着可能で、手に馴染みやすい太さに


Original ELABO

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当時の技術の粋を集結

より洗練されたデザインを追求

機能的でシンプルな外観から、時代にふさわしい洗練された印象に進化。独自技術で滑らかに一体成形されたキャップとリング、ゆるやかに反ったクリップは初代から変わりませんが、真鍮のボディが高級筆記具としての存在感をより高めています。

Current ELABO

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高級感が増し大切に選ばれる一本に

商品ラインナップ

シャープな美しさを追求した4色を展開

  金属軸に塗装を施したボディは、ブラック、レッド、ライトブルー、ブラウンの4色展開。ペン先は14Kでロジウムコーティングを施しています。ペン種はお好みに合わせて選べるSEF(極細)、SF(細字)、SM(中字)、SB(太字)の4種類を揃えています。その書き味を是非、店頭にてお試しください。

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