カリグラファー 島野真希さんによる 暮らしをワンランクアップする モダンカリグラフィー*デコレーション術

活用術

2021/12/10

カリグラファー 島野真希さんによる 暮らしをワンランクアップする モダンカリグラフィー*デコレーション術

さまざまなシーンで人気が高まっているハンドレタリングやモダンカリグラフィー。今回の「かく、を楽しむ」は、その草分け的存在として知られるカリグラファーの島野真希さんによるデコレーション術です。グリーティングカードなどにカリグラフィー風の文字で彩りをプラスして、暮らしをワンランクアップするデコレーション術をレッスンしていただきました。

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絵が得意でなくても素敵に描ける♪
オリジナルの「グリーティングカード」

季節のグリーティングカードや贈りものに手描きのカードが添えられていたら、スペシャル感はぐっとアップするものです。手元に素敵なカードがなくても、白い紙とペンさえあればオリジナリティあふれるカードをつくることができます。絵心がなくても大丈夫。気軽な心持ちでお洒落なカードをつくる手法をお教えしましょう。

まずは押さえておきたい基本についてご紹介します。

【 このレッスンの基本 】カリグラフィー風の文字は、縦ラインを太く
ここでご紹介するカリグラフィーの特徴のひとつは、縦の線を書くとき、筆圧をかけることによって縦ラインを太くすること。本格的なカリグラフィーのレッスンでは専用の特殊なペンを使いますが、今回は万年筆、水性顔料マーカー、筆ペンを使ってカリグラフィー風の文字を書く方法をそれぞれにレッスンします。「縦ラインを太く」という法則を押さえておけば、どこにボリュームを持たせればいいのかの目安になりますよね。


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[ 使ったペン:「ジュースペイント」細字(パステルブルー / パステルグリーン / パステルバイオレット / ゴールド / シルバー)、「色彩雫(iroshizuku)」(月夜)、「カクノ」細字(ノンカラー)]


【 STEP ❶ 】余白にしたい部分をテープでマスキング
カードはお好みの水彩紙を用意します。ちょっとしたポイントですが、カードの周囲に縁どりとして余白を残すことで、カードの印象がぐっと引き締まります。まずは白く残したい縁どりの部分と、メッセージを書き入れる中心部分にマスキングテープを貼ります。はがすときに紙の表面が破れてしまわないように、一度テープを手に巻きつけるなどして粘着力を弱めると安心ですよ。

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「ジュースペイント」で1色ずつ、重ならないよう間を埋めるように模様を描き込む。

【 STEP ❷】「ジュースペイント」で抽象的な模様を描く
カラーの水性顔料マーカー「ジュースペイント」を使って、抽象的な模様を描いていきます。マスキングテープがあるのでハミ出すことを気にせず自由な気持ちで描いてみましょう。同じ色が重ならないように大小メリハリをつけて描くのがポイント。最後にゴールドでアクセントになる模様を描き入れます。

描き終えたらゆっくり丁寧にマスキングテープをはがしましょう。次に中心の余白部分をシルバーで縁どります。フリーハンドで少し線の揺らぎが出るくらいがカードの味になりますよ。


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鉛筆やシャープペンシルの下書きの上から万年筆「カクノ」でなぞった文字に対して、縦のラインを重ねるようにして太く仕上げる。

【 STEP ❸】万年筆でカリグラフィー風の文字を書く
いよいよカリグラフィー風のメッセージ部分です。まずは筆記体で「Happy New Year」と鉛筆やシャープペンシルで下書きをします。そしてその上から、万年筆「カクノ」で下書きの線をなぞりましょう。カリグラフィー風に仕上げるポイントは、縦のラインに肉づけをして太くすること。仕上げに縦ラインをなぞるようにしてメリハリをつけていきます。

インキがしっかりと乾いたら、下書きの線を消しゴムで丁寧に消して完成です。


 
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クラフト紙に映える白い文字で
無地の「紙袋」を華やかにデコレート♡

贈りものはもちろん借りていたものを返すときなどにも活躍する紙袋。無地の素っ気ない紙袋でも、カリグラフィー風の文字でメッセージを書いてみるとスペシャル感がぐっとアップします。最近気に入っているのは、クラフト紙と白の組み合わせです。ナチュラルなクラフト紙の色に白いインキが映えて素敵ですよね。

今回はハート型にメッセージを書いて、ひとつの模様のように仕上げる方法をご紹介しましょう。


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[ 使ったペン:「ジュースペイント」細字(ホワイト / パステルイエロー / パステルピンク)]


まずは伝えたいメッセージを考えてどんな構図にするかを決めます。少し長めのメッセージの方がカタチを構成しやすいです。今回は「Especially for you♡ with all my heart」としました。はじめての方は写真の完成品を真似てチャレンジしてみてください。

【 STEP ❶ 】単一な線で下書きをする
まずは、鉛筆やシャープペンシルで下書きをします。完成品は強弱のある線ですが、下書きは単一な線で問題ありません。

【 STEP ❷】白の「ジュースペイント」でメッセージを書く
次に下書きの線の上から、白の「ジュースペイント」でなぞっていきます。このときも単一の線でOKです。文字の骨格を描くような気持ちで書きましょう。ここでのポイントは、隙間を埋めていくように飾り線を書くこと。手書きの世界ではこのような華やかな飾り線を「フローリッシュ」と呼んでいます。文字を華やかにするだけでなく、仕上がりのカタチがハート形に見えるようにする工夫のひとつでもあるんですよ。


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下書きの線の上から白の「ジュースペイント」でなぞり書きをし、ハートの一番下の部分は「フローリッシュ」と呼ばれる飾り線でかたどる。

【 STEP ❸】文字に肉づけをしてカリグラフィー風に
そしていよいよ、単一な線で書いたメッセージをカリグラフィー風に仕上げるために、縦のラインと並行にもう1本縦ラインを書き入れ、隙間を塗りつぶして肉づけしていきます。


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文字の縦ラインに肉づけをしてメリハリをつけ、仕上げにカラーの「ジュースペイント」でアクセントを書き入れる。

【 STEP ❹ 】仕上げにカラーペンでアクセントを
もしもハートの形の中に文字を書いた後に、いびつに残る気になる余白が生まれた場合も焦らなくて大丈夫。その隙間を埋めるように、カラーの「ジュースペイント」でキラキラマークやハートマークをバランス良く書き加えましょう。あまりたくさん書きすぎないことも、品良く仕上がるポイントです。


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[ 使ったペン:「筆まかせ」細字(うす墨)、「ジュースアップ 04」(メタリックバイオレット / メタリックピンク / ゴールド / パステルピンク)]



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読書タイムがもっと豊かになる!
筆ペンとカラーボールペンでつくる「ブックマーク」

本を読むときに何気なく使っているブックマークですが、手づくりのものを使うといつもより読書タイムが豊かなひとときに感じられます。お気に入りのリボンをプラスするとさらにグレードアップ! 借りていた本を返すときに、オリジナルのブックマークを挟んでみるのもとても粋ですね。

所要時間10分ほどあればできてしまう手軽さも魅力です。



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「筆まかせ」でメリハリをつけながら、紙面の端から端へ抜けるように文字を書く。

【 STEP ❶ 】筆ペンでメリハリをつけて文字を書く
まずは水彩紙などお好みの風合いの紙を、使いやすいサイズにカットします。次にカラー筆ペン「筆まかせ」で文字を書き入れるのですが、これまでと違うのは、単一な線で書いて後から縦ラインに肉づけをするのではなく、筆圧に強弱をつけながら一気に書くこと。流れるように筆ペンを運びながら、上から下へ書く縦ラインのときに力を入れ、横方向の流れではスッと力を抜くことを意識して書いてみましょう。紙面の端から飾り線をスタートさせて、書き終わりも紙面の端へ流れ出るようにすると、文字のデザイン性が増しますよ。



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「ジュースアップ」で花の中心から広げるように花びらを描く。

【 STEP ❷】カラフルなボールペンでボタニカル模様を描く
次に、「ジュースアップ」で花や葉などボタニカル模様を描きます。こちらも絵が得意でなくても、サマになるちょっとしたコツをご紹介しましょう。花を描くとき、中心から時計回りに花びらが開くように描き広げていきます。こうすると自然とバラの花が仕上がりますよ。メインとなる花を1〜2個大きめに描いて、隙間を埋めるように小さな花や葉っぱを描き込みます。さらにゴールドで水玉のアクセントをつけると引き締まります。


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仕上げに穴あけパンチで穴を開けて、お好みのリボンを結べばできあがりです。


3種類のアイテムのデコレーション術をご紹介しましたが、この手法を使って、ポチ袋をデコレートしたり、お手紙にメッセージをワンポイントプラスしたり、いろいろな場面でアレンジできると思います。

あまり堅苦しく考えず、ぜひ普段の暮らしの中に取り入れて気軽にお楽しみください。



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島野 真希 さん 書道家・カリグラファー
幼少の頃に書道を始める。ブライダル業界にウェディングプランナーとして在籍しながら、筆を持つ仕事にも携わる。結婚、出産を機にアーティストとして独立。書とカリグラフィー、和洋共に作品を制作。著書に『モダンカリグラフィー』(ビー・エヌ・エヌ新社)『筆ペンではじめるモダンカリグラフィー』(世界文化社)などがある。また世界的ベストセラー「The Boy, the Mole, the Fox and the Horse」の邦訳版手描き文字を担当。老若男女問わず幅広く手書きの可能性と魅力を伝えている。

島野真希さんの公式サイトはこちら 〉〉〉Maki Shimano Calligraphy



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『筆ペンではじめるモダンカリグラフィー』島野 真希 著

特別な道具がなくても、筆ペンと紙さえあれば始められる、いま人気のモダンカリグラフィーの指南書。日本のモダンカリグラフィーの第一人者・島野真希さんの4書体に加え、人気作家さん4名の書体、計8種類を紹介。初心者のための基本はもちろん、応用編として「センス良くまとまるカラーペンの色合わせ」「書いている途中で色の変わるグラデーションのつけ方」「絵心がなくても描ける筆ペンを使ったイラストの作例」などのテクニックも紹介しています。

世界文化社 1,320円(本体価格1,200円)


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