パイロットがつくるセラミックス製品って何?

2025/05/26

パイロットがつくるセラミックス製品って何?

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そもそもセラミックスってどんなもの?

筆記具以外にもいろいろな製品をつくっているパイロット。結婚指輪や玩具は以前ご紹介しましたが、他にも「セラミックス」があります。

「筆記具メーカーのパイロットが、どうしてセラミックス製品をつくっているの?」「そもそもセラミックスって?」 そんな疑問にお答えしながら、パイロットがつくるセラミックス製品についてご紹介します。

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そもそも「セラミックス」とはどんなものなのか、その基本を解説しましょう。セラミックスとは、一般的には陶磁器のような焼きもののことを言いますが、産業の分野では大きく二つに分類されます。

一つ目は、陶石や粘土など天然鉱物を成形・焼成してつくる「オールドセラミックス」で、食器や花器といった日用品がこれにあたります。そして二つ目は、高純度に精製した天然原料や人工原料を配合して成形したものを焼成してつくる「ファインセラミックス」。とても硬い素材である一方で、もろいという側面もありますが、耐熱性・耐摩耗性・耐久性に優れ、腐食しにくく、電気を通さないという性質を持っています。これらの性質を活かして、通信や医療、自動車、航空、宇宙産業から、キッチン用品や電子機器に至るまで、実に幅広いジャンルで活用されています。

パイロットがつくっているのは、この「ファインセラミックス」の製品です。ファインセラミックスの特長を活かして、半導体、電子部品、医療機器から、さまざまな生産ラインの機械部品まで、多くの製品をつくっています。


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では、なぜ筆記具メーカーのパイロットがセラミックス製品をつくっているのでしょうか?

セラミックス事業がスタートしたのは1978年のこと。もともとパイロットが持っていた「シャープペンシルの芯」づくりの技術を応用して、セラミックス製品の開発が始まりました。

異なる素材を混ぜ合わせる「混練」、細くて長い形状を、緻密に成形できる「押出成形」、高温で均一に焼き上げる「焼成」というシャープペンシルの芯づくりで培ったノウハウを活かして、高品質なセラミックス製品をつくることができたのです。

ちなみに、当時始まったばかりだった光通信インフラ整備の一環で、光通信向けコネクタ部品の「SCフェルール」の開発にパイロットが携わり、後に世界標準規格となりました。


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「高密度」「高強度」「高純度」であることはもちろん、細くて長い棒状・パイプ状の部品の製作を得意としています。また、もともとシャープペンシルの芯は0.5ミリなど極細サイズであるため、微細なサイズの製作に長けていることも大きな特長です。

直径わずか0.3ミリ〜8ミリの断面に、微細な孔を多数開けること、また用途に応じて精密な仕上げ加工にも対応することが可能です。日本国内の自社工場で、原料の配合・混練から、成形、焼成、仕上げ加工、品質検査、出荷まですべてのプロセスを、一つひとつ丁寧に行っています。

次のページでは、パイロットのセラミックス製品づくりの工程をご紹介します。

パイロットのセラミックス製品づくりの工程はこちら 〉〉〉次のページへ

 

パイロットのセラミックス製品のつくり方

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シャープペンシルの芯とセラミックス製品のつくり方を並べてみると一目瞭然。その製造プロセスは途中までほぼ同じであることがわかりますね。

セラミックス製品は、焼成時の焼成温度や時間を、製品ごとにそれぞれ変えながら、何日もかけて何回もじっくり焼き上げていきます。そうすることで、微細孔や多孔の緻密な部品でありながらも高精度な製品が仕上がります。

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パイロットのセラミックス製品は、半導体や電子部品、医療、自動車、アクセサリーのパーツに至るまで、実に幅広い業界で使われています。

筆記具以外のさまざまなジャンルでも、パイロットならではの技術を活かし、これからもこだわりを持って、ものづくりに取り組んでまいります。


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