ノックすると、芯を運ぶ役割の「チャック」につかまれた芯が約0.5mm前進します。ノックを終えるとチャックは開いて元の位置に戻り、再び芯が保持されて筆記できる状態になります。
内蔵された「おもり」の力がノックの役割を果たします。ボディが振られると、スプリングを通じてチャックにおもりの力が加わって開閉します。ノック式でも使える二重構造です。
株式会社パイロットコーポレーション
営業企画部 製品設計課 加藤 寛
自ら設計を手がける製品が、子どものころから慣れ親しんでいたフレフレになるとは、思っても見ませんでした。
2010年発売の『デルフル』。フレフレ機能をロックする32年目の新製品。
子どもの頃から親しんでいた“フレフレ”
子どものころから身近にあった、フレフレ機構がついたシャープペンシル。私の世代ではすでに、ごく当たり前に使う日常の筆記用具でしたから、発売当初は画期的な製品だったということはまったく知りませんでした。私は入社以来、主に製品の設計を手掛けてきましたが、周囲では数年前から“フレフレ機能をロックできたら便利では?”というアイデアをいろいろな人が口にしていました。それはやがて、フレフレ機能とダブルノック機能を合わせてみてはどうか?というアイデアに進化していきました。
ダブルノック機能を付加
ダブルノック機能とは、以前から製図用のシャープペンシルに付いていた機能です。定規に当てて線を引く用途で使用する製図用シャープペンシルは、一般のシャープペンシルよりもペン先の口金部分が長く、落下した時に破損してしまう可能性がありました。そこで、その部分が曲がらないよう保護するために、強くノックするとペン先がボディ内に収納される機構を搭載しました。これにフレフレ機構を合わせれば、画期的な製品になると思いました。
デザインとネーミングの面白さ
このアイデアを企画部の担当者に話すと、製品に提案することになり、その後はとんとん拍子に開発が進んでいきました。私はいくつかの試作品を作りましたが、現在の『デルフル』の形状もネーミングも、かなり早い段階で決まりました。デザイナーが何枚ものデザイン画とカラーパターンを出してくれたときは、嬉しかったですね。透明のウィンドウ内で表示が切り替わるビジュアルの面白さや、収納したペン先が見えるデザインなどはデザイナーのアイデアです。
開発者としての感動
正確な金型が仕上がり、はじめてデルフルが形になったときの感動は忘れません。78年の発売以来、私自身もユーザーのひとりとして親しんできたフレフレに多くのアイデアが盛り込まれ、より進化したデルフルを生み出すことができました。この新機能が、世の中の多くの人から「こういうのを待っていた」「これは使える!」と思っていただけるのなら、開発者としてこんなに嬉しいことはありません。私たちはこれからも研究開発を続け、ユーザーのみなさんに親しまれる製品作りに取り組んでいきたいと思います。


