2025/05/12
アルバルク東京とタッグを組み活動する「手書き」にしかできないコミュニケーション。
アルバルク東京に聞きました。
「手書き」だからこそ生まれる、温かなコミュニケーションがある。
パイロットコーポレーションが大切にしているその想いを、ともにタッグを組んで実現しているのが、プロバスケットボールリーグ・B.LEAGUE(Bリーグ)で躍進している「アルバルク東京」です。
2016年に開幕したBリーグは現在、トップカテゴリーのB1に24チーム、続くB2に14チームが在籍しています。東京を拠点とするアルバルク東京はB1に所属し、これまで2度のBリーグ制覇を果たしている強豪チームです。また輝かしい戦績の一方で、社会貢献活動にも力を入れており、小学生に手書きの魅力を伝える「手書きでエール!」プロジェクトもそのひとつです。
今回は、パイロットコーポレーションとともに取り組んでいる「手書きでエール!」プロジェクトや社会貢献に対する想いについて、トヨタアルバルク東京株式会社パートナー事業部の井部真吾さんにお話を伺いました。
「社会貢献は、発信力のあるプロスポーツクラブとしての義務だと考えています」
井部さんがそう語ったように、アルバルク東京は社会的責任プロジェクト「ALVARK Will(アルバルクウィル)」を掲げ、社会貢献活動を積極的に行っています。具体的にはどのような取り組みなのでしょうか。
「『東京で、共に生きる人たちと幸せに暮らしていける環境を作っていきたい』をスローガンに、なかでも『健康』『成長』『環境』という3つの分野に力を入れています。たとえば、知的障がいのある人たちにスポーツトレーニングとその成果を発表する競技会を提供している『スペシャルオリンピックス日本・東京』と提携し、ホームゲームの際に普及活動を展開したり、乳がん検診の早期受診を推進するピンクリボン運動や、子ども虐待のない社会を目指すオレンジリボン運動の啓発活動を実施したり、地域に根付いた活動を幅広く行っています」
今回ご紹介する「手書きでエール!」プロジェクトは、その「ALVARK Will」の一環。「バスケットボール教室」として、一部の小学校で実施している取り組みです。
「『バスケットボール教室』とは、小学5、6年生を対象に、アルバルク東京のアカデミー(育成年代)のコーチが学校の体育の授業にお邪魔してバスケットボールを教えるというものです。ただバスケのスキルを教えるのではなく、子どもたちがスポーツの楽しさを感じることや、なにかの気付きを得ることを大切にしています。ほかにも幼稚園でチアリーディングを教えたり、介護施設でダンス教室を開催したり、『健康』『成長』『環境』のテーマに則した活動を行っています」
選手と子どもたちを「手書きメッセージ」で繋ぐ
バスケットボール教室で汗を流したあとは、「手書きでエール!」プロジェクトの時間です。子どもたちはホームルームの時間などにアルバルク東京の選手の映像を見て、その選手宛てにメッセージを書きます。その後、手紙を受け取った選手は一人ひとりに向けて返事をしたためます。選手と子どもたちが文字どおり「手書き」でコミュニケーションを図るのです。
「スポーツクラブの仕事は、実際に試合を戦うチームと、事業の運営を担うフロントオフィスと、大きく2つに分かれます。アルバルク東京はチームとフロントの距離が近く、顔を合わせる機会も多いんですね。なので、選手にメッセージを書いてもらい、子どもたちに届けることは環境的に可能だと思いました。そして、クラブパートナーである筆記具メーカーのパイロットコーポレーションさんの『手書きの素晴らしさを広めたい』という想いも分かっていました。そこで私たちのリソースを使ってどのような社会貢献が実現できるかと考えたときに、バスケットボール教室とパイロットコーポレーションさんとのコラボレーションに思い至りました」
子どもたちの自由な表現には本当に驚かされます
企画した当初からクラブ内も協力的だったそうです。
「コート外の活動になりますから、チームには多少なりとも負荷がかかります。でも選手に協力を得られるか現場に確認したところ、トップチームを統括するゼネラルマネージャーや実際に子供へ接するアカデミーコーチも趣旨を理解および快諾していただき実現しました」
加えて、このプロジェクトに欠かせないのが学校の協力です。しかし、その点についても、まったくハードルはありませんでした。
「たとえば、5年1組は福澤選手にメッセージを書きましょうということになれば、ホームルームなどできちんと時間を取ってもらい、そこで選手の映像を見て、選手のことを知ってもらったうえで子どもたちに手紙を書いてもらう必要があります。それには先生方も前向きに協力してくださっています」
「昨シーズンは、小学校合計9クラスでバスケットボール教室と「手書きでエール!」プロジェクトを実施。1クラス約30人にひとりの選手が返事を書きました。当初、選手にはサインと一言コメントをお願いしていましたが、こちらの想像以上に丁寧なメッセージが選手から返ってきたので驚きました」
子どもたちのメッセージに笑顔で返事を書く平岩選手
「子どもたちが一生懸命書いてくれているので、選手もきちんと返答したいと思ったのではないでしょうか。たとえば、『シュートが上手くなりたいのでどうすればいいですか?』という質問が来れば、『自分はこんな練習をしていたよ』と親身に答えたり、『まだ試合を観たことがないので観に行きたいです』というメッセージには『絶対活躍するから観に来てね』と約束したり、ただサインを書くだけではない、子どもたち一人ひとりのメッセージに寄り添った言葉が印象的ですね。『手書き』によって心の距離が近づき、不思議とお互いが身近に感じることができるのかなと感じます」
子どもの応援メッセージに丁寧に答えた福澤選手のメッセージカード
また、文字の一つひとつに個性や人柄がにじみ出るところも手書きならではの良さだといいます。
「字の書き方や返事の仕方にも性格が表れますね。たとえば先に出ました福澤選手は子どもたちへの返事がとても丁寧で字がきれいであった印象で、高精度のきれいなシュート力が思い起こされる様な気持ちになりました」
そして、なにより手書きならではのよさを感じる瞬間が井部さんにはあるそうです。
「子どもたちの表現が自由だということですね。『手書きでエール!』専用のメッセージカードにはガイドの線が引いてあるのですが、それに捉われずに絵を描いたり、文字を太く強調したり、子どもによって表現はさまざまです。これはメールのようにパソコンで文字を打つ形では絶対できません。表現の仕方が自由なところが、大人にはない子どもならではの一番の特徴ではないかなと思います。もちろん選手の手書きの文字も普段なかなか見る機会がないのでとても興味深かったですし、手書きの文字には人それぞれの温もりがあると感じました」
バスケットから離れた自由な質問にも返信してくれることで、より子どもと選手が身近な存在に
子どもたちはもちろん、ご家族や学校の反響も大きいといいます。
「選手からメッセージが返ってきて子どもたちは喜んでくれますし、持ち帰ったメッセージカードをお父さんやお母さんが見て、自分の子がバスケットボール選手とやり取りしていることに驚きもあったようです。このプロジェクトをきっかけに、アルバルク東京の試合会場に足を運んでくれたお子さんもたくさんいますし、Bリーグを知ってくださったり、特定の選手を好きになってくれたりといったお話も耳にしています。子どもたちにとって、まずうれしいのはバスケットボール教室、次にうれしいのが選手に直接メッセージを書けること、そしてなによりうれしいのは、自分が書いた質問や応援メッセージに選手が答えてくれた手書きのメッセージカードをもらえることだそうです。実際、選手が返事を書いたレターを子どもたちに渡すときがいちばん盛り上がるんですよね。これはバスケットボール教室だけでは起こらないことです。この企画はご家族にもインパクトがあると思いますし、開催した小学校から『またやってください』と言われるほど評判もよく、すべての人が前向きに関われる取り組みだと感じています」
反響は当事者だけにとどまりません。2024年には、スポーツの広告賞「Japan Sports Activation Awards」において、「手書きでエール!」プロジェクトが賞を獲得しました。
「バスケに限らず、さまざまなスポーツクラブから応募があるなかで、この取り組みが賞という形で評価いただいたのはとてもうれしいです。また選手からの手書きのメッセージが子どもたちの手元に残ることにも意義を感じています。それは『手書き』の素晴らしさを広めたいという想いがあるパイロットコーポレーションさんあってこそ実現できたこと。子どもたちがメッセージカードを受け取るときの盛り上がりも含めて提供していただいていると思っています。このプロジェクトは、私たちアルバルク東京の方針にも、パイロットコーポレーションさんが大切にされている想いにも合致していると思いますし、やり切ったものが完成物として形に残るのはすごくいいですよね」
最後に、アルバルク東京としての今後の展望について、井部さんに伺いました。
「クラブ内では『トップランナー』と表現しているのですが、どの分野においてもBリーグを引っ張っていくクラブでありたい、という文化があり、チームは優勝を目指しています。同様に、「手書きでエール!」プロジェクトをはじめとする社会貢献活動においてもBリーグで最も力を入れているクラブでありたい。『トップランナー』という言葉が意味するのは、1位を取ることではなく、自分たちが先頭に立って引っ張っていきたいということ。これからもプロバスケットボールクラブとして、トップランナーの意識を持って取り組んでいきたいと思っています」
アルバルク東京は7月1日よりホームタウンを東京都江東区に移し、2025-26シーズンから「TOYOTA ARENA TOKYO」をホームアリーナとしてホームゲームを戦います。クラブとして新たなフェーズを迎えるなかで、リーグ制覇、また社会貢献活動などオフ・ザ・コートにおいてもさらなる活躍が期待されます。
パイロットは、未来を担う子どもたちに「手書き」の魅力と「書くこと」への楽しみを届けるために、パートナーであるアルバルク東京と共にこれからも活動を行っていきます。
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取材協力: |
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