とっても便利な消せるボールペン。でも...、色が消えるのはなぜ?

2021/08/05

とっても便利な消せるボールペン。でも...、色が消えるのはなぜ?

ミクロな世界で起こっている
消せるインキの不思議な三角関係。

書いた文字が消しゴムで消える鉛筆と違って、昔からボールペンは「消せない」筆記具。それが2006年にパイロットの「フリクション」が発売されると、それまでどこにもなかった「消せるボールペン」として、世界的なヒット商品となりました。

では、そのボールペンのインキは、どういう仕組みで消えるのでしょうか? その秘密は、フリクションシリーズに使われている特殊な「フリクションインキ」の中で起こっている不思議な三角関係」にあります。

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フリクションインキの色素の役割を担っているのは、インキの中の「特殊なマイクロカプセル」。そのカプセルの中をさらに拡大してみると、3つの成分(色のもと、発色成分、消す成分)が入っています。その成分こそが「フリクションインキ」が消えるカギを握っているのです。どんな仕組みになっているのか、今回はかわいい動物たちに登場してもらって、インキの色が消える仕組みをご紹介しましょう。
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マイクロカプセルに入っている3つの成分は、温度によって組み合わせが変化します。

紙に書いたときは「A:色のもと」と「B:発色成分」は手をつないで「インキの色が見えている」状態になります。このとき「C:消す成分」は眠っています。

ところが、専用ラバーでこすって60℃以上の熱が加わると、眠っていた「C:消す成分」が目を覚まして「B:発色成分」と手をつなぎ、「A:色のもと」はひとりに…。「A:色のもと」は「B:発色成分」が一緒にいないと発色できないので、「インキの色が見えない」状態になるという仕組みなのです。

 

消えた色は元に戻るんです。

ところで、消えてしまったインキの色が、ある条件になると元に戻ることを知っていますか?

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マイナス10℃以下になると、また3つの成分の組み合わせが変化して、消えていたインキの色が現れ始め、マイナス20℃で色が戻ります。それを常温の部屋へ持って行ってもインキの色はそのままです。普段の生活では、そんな温度の環境で使用することはほとんどありませんが、とてもおもしろい現象ですよね。ちなみに、こすって60℃以上になると再び消えて、その上からまた書くことができるのです。繰り返し書いたり消したりできるのがフリクションインキのすごいところです。

フリクションシリーズにはボールペン以外にもサインペンやスタンプなどたくさんのアイテムがあります。ぜひ、勉強やビジネス、お絵かきなどさまざまなシーンで消せるフリクションシリーズをお楽しみくださいね。

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製品情報はこちら 〉〉〉「フリクション」シリーズ

【ご注意】証書類・宛名など消えてはいけないものには使用しないでください。高温下に置かないでください。60℃以上になるとインキが無色になります。感熱紙など紙の種類や、印刷物の特性によっては消去に不向きな場合があります。
「FRIXION」および「フリクション」は、株式会社パイロットコーポレーションの登録商標です。



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