創作活動は、「私らしさ」を一番感じることができる時間[かき文字デザイン さん / 手書き文字]

創作活動は、「私らしさ」を一番感じることができる時間
[かき文字デザイン さん / 手書き文字]

2023/11/01

      

手書き文字と写真やグラフィック、イラストなどと組み合わせた「手書き文字」をSNSで発信し続けているかき文字デザインさんをご紹介します。

あなたの創作活動について教えてください

「かき文字デザイン」という名前で、ペンを使った手書き文字で創作活動中です。書いた文字を好きな写真や図形、イラストなどと組み合わせてデザインし、SNSで投稿しています。「毎日頑張っているあなたをそっと励ますための優しい言葉」をテーマに綴っているのは、押しつけがましくない程度に前向きな言葉や、私自身が感じた率直な思い。さまざまな感情やつぶやきがあふれるSNS上で、ちょっと一息つけるような穏やかな場にしたいとう思いで作品を発信しています。

創作のアイデアは
どのように生まれてくるのでしょう?

書く言葉についてはあまり深く考えずに、日常の中で自然と思いついたことや素直な気持ちを書くようにしています。季節を感じること、星や月など自然が好きなので、「秋になったらどこに行こうか」「何を着ようか」「涼しくなって気持ちいいな」など、ふと思い浮かんだことや、「満月が綺麗」「夕焼けが素敵」など景色を見て感動したことを積極的に書いています。

作品を創る上で
心掛けていることを教えてください

マイナスなことは書かないように気をつけています。でも、「だるいな」などちょっと愚痴っぽいけど、かわいらしいマイナスなワードはOK。判断基準は、ネガティブすぎず、前向きすぎず、見た人に共感していただけるかどうかということです。字を書くことを習ったことはないですが、達筆な祖父母の血を受け継いだのか字を書くのは子どもの頃から得意で、ノートに書いた字を褒められたことがあります。中学の国語の先生の字がとても綺麗で憧れていて、「この字になりたい」と真似をして書く練習をしていました。今も言葉を書く時は、真っ白な紙にいろいろなペンで何度も何度も書いて、一番いい「かき文字」を選んで作品をデザインし、投稿しています。

あなたにとって「かく(書く・描く)」こととは?

本業のグラフィックデザイナーという仕事にはやりがいを感じていて好きですが、「自分らしさ」を出せる業務はあまりありませんでした。短大のデザイン科で自分の制作物だけをつくっていた体験と、クライアントのためにデザインする仕事との間には大きな温度差があって、そこを埋めるものがなくて葛藤していました。世界のどこにも「私らしさ」を残せないまま人生が終わってしまったら寂しいなと思っていたところに、仕事でデザインした手書き文字をほめてもらうという体験をしたのです。その時の喜びはとても大きくて、「私にしかできないものを発信したい」という思いから手書き文字の投稿を始めました。書き続けていくうちに、「私はカラフルなものが好きなんだ」「ラブリーなものよりナチュラルなものを好むようだ」と自分の好みを自覚するようになったのです。「かき文字デザイン」は、私らしさを一番感じることができる活動であり、時間です。

創造力の源は何ですか?

2022年の夏から「かき文字デザイン」を投稿するようになって1年ほどが経ち、当初自分でも想像してなかったほど多くの人にフォローしてもらうことができ、「かき文字デザイン」の名前や作風が少しずつ浸透していったことで自分の中で自信につながっています。かき文字を通して、「私らしさ」をたくさんの人に見て知ってもらえることがうれしくて、それが何よりの原動力になっています。今後は、男性っぽくスタイリッシュでかっこいいものや、逆にほっこりしたかわいい文字など、文字のスタイルの幅を増やしたいなと思って新しいタイプの文字を研究しています。

photoトップメイン:これまで綴ってきたお気に入りのかき文字をまとめたもの。 photo 01:かき文字に好きな写真を組み合わせてデザインを仕上げる。 photo 02:毎日の中でふと感じたことを、真っ白な紙に何回も書いて一番いいものをセレクト。 photo 03:前向きすぎず、見た人に共感してもらえる言葉を書くように心掛けている。 photo 04:「上手く書こう」「かっこいい言葉を書こう」と意識せず、ノートにさらっと書いたようなアナログ感を大事にしている。 photo 05:自身で編集デザインしたZINEやステッカーなどのオリジナル雑貨。

柿元優季さん
かき文字デザイン さん
大分県出身。短大でデザインを学び、現在は会社員としてグラフィックデザイナーの仕事をしながら趣味で手書き文字をSNSへ投稿している。2023年11月にデザインフェスタに初出展し、グッズを販売予定。今後もZINEや雑貨の制作を続け、イベント出展を積極的に計画中。

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