株主の皆様におかれましては、平素より当社事業に対し格別のご支援とご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。各地で災害が頻発する中、本年1月には『令和6年能登半島地震』が発生いたしました。被災された皆様に謹んでお見舞い申し上げますとともに、被災地の一日も早い復旧ならびに復興を心よりお祈り申し上げます。

さて当期におきましては新型コロナウイルス感染症による各国市場への影響は一段落したものの、世界のマクロ経済や地政学的状況はますます不確実性を高めております。筆記具需要についても地域差が出ており、日本市場や米州市場、新興国等で回復傾向が進む一方で、中国市場や欧州市場等、いまだ停滞が続く地域も多い状況となりました。このような難しい経営環境の下、業績は堅調に推移し、日本に製造拠点を多く持つ当社にとって円安も追い風となり、過去最高売上を達成する事が出来ました。一方、原材料や人件費などの諸経費の高騰により、減益となりました。

現在、当社は中心となるステイショナリー事業において、販売に注力すると同時に、今後大きなマーケットに成長すると期待しているインドやASEAN地域等の新興国市場の整備、将来的な販売拡大を見越しての国内外の生産拠点の再編など、積極的に成長投資を進め、将来の基盤づくりに努めております。同時に、変化の激しい社会環境の中で成長し続ける事を目的に、一昨年に定めた中長期ビジョン『パイロットグループ　2030年ビジョン』の実現のため、商品政策や販売政策、生産体制や各種システム、人事政策等、多方面にわたり業務を見直し、着実財務ハイライト（連結）に体質強化を進めております。またガバナンス体制をより充実させ、さらなる経営のスピードアップを図ることで、刻々と変化する市場に柔軟に対応できる経営基盤を構築してまいりました。

当社はグループパーパス「人と創造力をつなぐ。」の下、グループの中長期視点で企業価値をさらに向上させ「変革と挑戦」を続け、皆様のご期待に沿うべく、邁進してまいります。

なお、2月13日付で公表いたしましたとおり、本年3月28日をもちまして当社は経営体制を改め、次世代に橋渡しをすることといたしました。長きにわたり代表取締役社長を務めさせていただき、微力ながらも数々の改革を進めることが出来ました。これまでのご厚情に深く感謝申し上げますとともに、株主の皆様におかれましては、今後とも末永くご支援ならびにご指導賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

2024年3月

代表取締役社長