EXILE TAKAHIROさん「クリエイティブ活動の原動力は、ファンの皆さんです」

2022/11/25

EXILE TAKAHIROさん「クリエイティブ活動の原動力は、ファンの皆さんです」

EXILE TAKAHIROさん インタビュー

日本を代表するダンス&ボーカルユニットとして21年にわたり、唯一無二のエンタテインメントを築き上げてきたEXILE。そのメインボーカリストとして力強くも優しい歌声を届けるTAKAHIROさんは、書や絵画などにも表現の場を広げています。TAKAHIROさんに、クリエイティブ活動への想いをお聞きしました。



「個展を境に
"書"や"描くこと"に対する覚悟が変わりました」

― 絵はどのようなきっかけで始めたのですか?

物心がつく前から、絵を描くのが大好きな子どもでした。外で遊ぶのも好きでしたが、紙とペンを渡されれば一日中ずっとお絵描きをしていました。

その頃、家にオートバイの大きな写真のようなものが飾ってありました。僕はずっとそれが普通のモノクロ写真だと思っていたのですが、実は父がデッサンした絵だったのです。それを知って、「絵でこんなことができるんだ」とすごく驚いたことを覚えています。すぐに自分でも我流でデッサンを始めました。

そんな僕を家族も面白がって、よく父とデッサンの勝負をしました。母と妹が審査員になって、置物やコップなどを好きな角度から描くんです。勝負をしながら父からデッサンのコツや、絵のぼかし方などの技術を教えてもらいました。


― 絵が描けると学校では人気者だったのではないですか?

小学生時代はよく友だちに頼まれて、工作用のプラ板キーホルダーにドラゴンボールZやポケモンのキャラクターを描いていましたね。人気者というほどではありませんが、頼んでくる友達が増え、よく描いてプレゼントしていました。


― 書道は八段。書を始められたきっかけを教えてください。

これも小学生時代ですが、近所に駄菓子屋さんがありまして、そのお店のおじさんが書道を教えていたんです。通っている子は、夏はアイス、冬はチョコレート菓子が貰えたので、僕もそれが欲しくて習い始めました。

最初はそんな下心からでしたが、やり始めると毛筆も硬筆も段が上がっていくのが楽しくなっていって、 コレクションするように中学生で取れる最高位の八段まで取ってしまいました。



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― 絵画作品を世の中に発表し始めたきっかけを教えてください。

EXILE TRIBEが、2014年にさいたまスーパーアリーナで10日間の連続ライブを開催したとき、会場の横にあるイベントスペースで、書を中心に絵や写真も展示した僕の初個展を同時開催しました。

ライブ会場なので、当然お客さんの多くはEXILEのファンの皆さんですが、個展だけを目当てに来てくれた方々もいました。じっと作品を見てくれるまなざしに、すごく嬉しさを覚えました。

同時に生半可な気持ちでは作品展はできない、ちゃんと自分を表現できるものを作らなくてはいけないと思いました。あの初個展を境に、自分のなかで「書」や「描くこと」に対する覚悟が変わったのを感じています。

 
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「後輩たちのために新たな道を切り拓いていきたい」

― 2006年にEXILEに加入されてから今日に至るまでにどのような変化がありましたか?

EXILEに加入したばかりの頃は、もちろん経験はありませんし、年齢的にも末っ子で、右も左も分からず、ただ先輩たちに付いていくだけの存在でした。そんな手探りの時期を経て、いつの間にか後輩が増え、EXILEも大きく成長して、僕の使命感や責任感もだいぶ違ったものになってきました。

僕は勇退されたHIROさんのように偉大な存在ではありませんが、とにかく後輩たちには、先輩たちから吸収したEXILEを繋いでいきたいです。そして、ボーカリストの先輩としても後輩たちのために新たな道を切り拓いていきたい。そんなことを常に意識しています。


― EXILEのボーカリストとして転機になったような出来事はありますか?

大きな転機としては、2014年の秋冬に開催されたドームツアーでした。

それまで僕はATSUSHIさんとツインボーカルで歌ってきたのですが、このツアーではATSUSHIさんが参加されませんでした。そうなると、EXILE、三代目 J SOUL BROTHERS、それにGENERATIONSの各グループを通して、形式上は自分がボーカルのトップになるわけです。

もちろん、ツアーは全員で作るものですが、ステージでもそうではない場所でも、自分がみんなを引っ張らないといけないという局面がありました。果たして、その役割が僕に相応しいのだろうかという恐れ多いような気持ちもあったのですが、何とかやり切ることができました。あのツアーでの経験があったからこそ現在の自分があるように感じています。


― 作詞や作曲のイメージはどこから湧いてくるものなのでしょうか?

主に、その時々に感じることがイメージの原点になります。そのためにいつもインプットを心がけています。

例えば、人と会ったり、旅行をしたり、リアルタイムに見て聞いた感動を素直に歌詞と結びつける場合もあれば、ふと幼少期に感じたことや見ていた景色を思い出し、今の僕と照らし合わせて曲をイメージする場合もあります。

様々な作り方を試行錯誤していますが、あまり溜め込まずに、そのときに感じたことを新鮮なうちにアウトプットすることが多いと思います。リリースはいつになるか分からないけど、作りたいと思ったときに作る。それが僕のやり方です。


― ソロの音楽活動もされていますが、EXILEと線引きをされている部分はありますか?

以前は、EXILEと分けなければいけないと思っていましたが、最近そうは思わなくなりました。やっぱり僕はEXILEのボーカルなので 、EXILEと距離を取る必要はないというのが現在のソロ活動のかたちです。

しかし、EXILEとは違うジャンルの音楽もやってみたいという思いもありますので、それはソロ活動で追求すべきだと考えています。そして、何よりもファンの皆さんが喜んでくれる音楽を僕なりのロックやバラードに乗せて届けていきたいです。


― EXILEの楽曲をカバーするEXILE RESPECTシリーズで、「道」を選ばれた理由を教えてください。

「道」は僕がEXILEとしてデビューしてから、割りとすぐにレコーディングした曲でした。そして、初めて参加したアリーナツアーのライブ本編のラストがこの曲だったこともあり、とても思い入れのある曲です。

その「道」を、この夏の2022年ドームツアーで、久しぶりにATSUSHIさんと声を重ねて歌いました。そのときに感じたのは、ファンの皆さんの存在感でした。

これまでEXILEとともに歩んできたファンの皆さんが、ここに確かにいてくれている。そして、人生の思い出のなかのEXILEを蘇らせながら「道」を聴いてくれている。歌いながらそんな感覚がありました。

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「クリエイティブ活動を通して、
故郷に恩返しをしていきたい」

― ファンレターなどをもらう機会も多いのでは?

本当に多くのファンレターを送っていただけることには感謝してもしきれません。手書きの手紙というのは、書いた人の思いだけではなくて表情までも伝わってくるようで良いものですよね。

僕も最近、大先輩のアーティストさんに1人のファンとしてファンレターを書かせていただきました。ここぞというときの思いを受け取ってほしいときは、やっぱり直筆の手紙がいちばんですね。内容に合わせて、ボールペンや万年筆、筆ペンを使い分けています。



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― TAKAHIROさんのクリエイティブ活動の原動力は何でしょうか?

楽曲作りやライブ、書く(描く)活動でも、表現したいことがいかにファンの皆さんを喜ばせることができるのかを追求しています。綺麗事のように聞こえるかもしれませんが、「ファンの皆さんが原動力」。そう言い切りたいと思います。

また、書く(描く)ということについては、面白さも追求していきたいです。少し前に劇団EXILEの秋山真太郎の小説 『一年で、一番君に遠い日。』で、作中に登場する手紙を直筆で書かせていただきましたが、とても面白い企画でしたね。もっとイメージを膨らませて、書と絵をコラボレーションさせるとか、自分がこれまで表現者として培ってきた点と点を結ぶことによって皆さんに喜んでいただける活動を続けていきたいです。


― これからのTAKAHIROさんの未来像を教えてください。

以前から、いつか生まれ故郷に対して恩返しがしたいと願って活動を続けてきました。それが最近になって、恩返しをすることができる年齢になってきたのか、地元からお声がけしてもらえる機会が増えてきました。

2022年には、JR九州の在来線の車両に僕が沿線の長崎や佐賀をイメージして描いた絵を施して、それに僕の母校や沿線の小学校の児童がペイントするというプロジェクトを体験させていただきました。

佐世保でペイントイベント会が行われ、子どもたちと対面したのですが、いざ塗り始めると子どもたちの集中力はすごくて、誰が近付いても視界に入らないくらいでした。僕がデザインしたものに対してこんなにピュアな集中力で向き合ってくれるのかと、嬉しい思いでいっぱいでした。


01interview010_3_3.jpg当画像は、無断転用を固くお断りいたします。


これからもEXILEのボーカリストとして、1人のアーティストとして、活動を続けていくとともに、故郷の長崎県や九州の皆さんにクリエイティブ活動を通じた恩返しをかたちにしていきたい。そんな未来像を描いています。



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TAKAHIRO さん EXILE VOCAL
EXILEは21周年を迎え、2022年2月〜EXILEとして13年ぶりとなるアリーナツアー「EXILE LIVE TOUR 2021 "RED PHOENIX"」を開催 、同年7月からドームツアー「EXILE LIVE TOUR 2022 "POWER OF WISH"」を開催 。12月には、ドーム公演「EXILE LIVE TOUR 2022 "POWER OF WISH"〜Christmas Special〜」を開催予定。グループとしての活動以外に、ソロとしてファンクラブツアー『TAKAHIRO 道の駅』で47都道府県を回り、EXILEの楽曲を新たなアレンジでセルフカバーしていく「EXILE RESPECT」シリーズをリリースしており、最新シングル「道」が配信中。また、2014年に個展「始 -絵具バカ日誌-」を開くほど書道と絵画にも秀逸。JR九州在来線車両をTAKAHIROがデザインする「Choo Choo 西九州 TRAIN」プロジェクトにて、TAKAHIROデザインの電車が2022年10月より運行開始されるなど、多才な活動を行っている。
EXILE公式HP https://exile.jp

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