感想をおくる

万年筆を使ってみよう

Vol.1お気に入りの一本を手に入れよう

Lesson note

ペン先から伝わる微細な書き心地。
インキが紙に染み込む瞬間。
書く人の心情までも映し出す文字の表情──。
筆記具の中でも、万年筆だけが持つ独特の魅力があります。
一度その心地よさを知ると、書くことがもっと楽しくなります。

万年筆の世界の扉を初めて開くあなたに。今回は、お気に入りの一本との出会い方をご紹介します。

万年筆の文字を通して、新しい自分を発見

万年筆の魅力はいくつもありますが、まずはその書き心地の良さに驚く人も多いもの。筆圧をかけなくてもスラスラと書くことができて、長時間使っても手が疲れにくい。万年筆ならではの感覚が実感できます。

また、万年筆で書いた文字はインキの濃淡が表れ、書いた人の個性や、その時の想いが自然と映し出されるのも◎。例えば、文字を書いている途中にふと考えごとをしてそのまま手を止めると、インキが紙に浸透して文字がにじむ。頭の中がクリアだと、まさに流れるような文字になる。書いている人の心情や個性が出やすいというのも、万年筆の特長です。

find your favorite

お気に入りの一本を見つけるために

万年筆選びで一番大切なのは、実際に書いてみること。
いろいろな万年筆を試して、ボディの材質、ペン先の種類、持ったときのバランスなどを比べてみてください。

01

ボディのデザインと材質

万年筆のボディは多彩なデザインがあり、材質もさまざま。代表的な材質は、「樹脂軸」「金属軸」「木軸」などがあります。
初めて使う人なら、まずは軽量で使いやすい「樹脂軸」を試してみてください。「樹脂軸」はブラックが万年筆の王道カラーではありますが、その他にもトレンド感のあるカラフルな色味や透明なタイプもあります。まさに自分好みの一本を選ぶ楽しさがあります。透明軸は中のインキの色が一目瞭然で、ゆらめくインキの様子が見えるワクワク感がありますし、インキの残量も確認しやすいというメリットがあります。

「金属軸」は重厚感と高級感のあるデザインが楽しめ、重さのあるペンが好きな人に向いています。「木軸」は木の温もりが感じられ、使い込むほどに経年変化による木の艶感が楽しめますよ。

また、どの万年筆でも、手の大きさや筆圧、筆記角度との相性も大切です。ボディの大きさや太さなどに違いがあるので、手に取って試してみるのがオススメ。

どれにしようか迷ってしまったら、万年筆を取り扱っている店舗の店員さんに声をかけてみて。あなたの書き方や好みに合った万年筆を一緒に見つけてくれます。「万年筆を使うことが初めて」だと伝えれば、持ち方から書き方のコツまで丁寧に教えてくれますよ。

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ペン先の種類

万年筆には、ペン先の太さや素材による柔らかさの違いなど、多くの種類があります。
一般的なペン先は、F(細字)、M(中字)の2種類。初めての万年筆にはF(細字)がオススメ。手帳やノート、手紙など、どんな目的でもオールマイティに使うことができます。
宛名書きや大きめの文字を書きたい場合、インキの濃淡を味わいたい場合は、M(中字)でも◎。

ペン先の素材では、主に金ペンタイプと特殊合金(ステンレス)タイプの2種類あります。金ペンタイプは高価になりますが、本格的な万年筆のペン先のしなりを感じる弾力のある書き心地が楽しめます。特殊合金タイプは、お手頃価格も多く、筆圧が強めの方や硬めの書き味が好きな方に向いています。

PILOTの豆知識

海外製の万年筆は、画数の少ないアルファベットを書くためにペン先がやや太めに作られているものが多いのが特徴。一方、国産の万年筆は同じペン種でも細めに仕上げられているので、画数が多く細かい漢字などの日本語を書くのに適しています。

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インキを選ぶ

インキの種類には、「カートリッジインキ」や「ボトルインキ」などの種類があります。初心者の方は、インキの補充や交換が簡単にできる「カートリッジインキ」タイプから始めるのがオススメです。
万年筆はインキの色を選べることも魅力の一つ。インキの色は、公式文書への記入や署名などに使用したい場合は黒やブルーブラックなどの濃いめの色が適しています。お手紙などには、黒よりも柔らかい印象を与え、より親しみやすさを感じさせるブルーなども素敵ですよ。

変化を共に

お気に入りの一本が決まったら、毎日使ってみましょう。
万年筆は使い込むほどに愛着が湧き、手に馴染んでいきます。まるで一緒に成長しているような感覚を味わえる。それも万年筆ならではの魅力です。
ただの筆記具ではなく、特別な体験を提供してくれる存在───。そんな万年筆との出会いを、ぜひ楽しんでみてください。

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