感想をおくる

万年筆を使ってみよう

Vol.2使うことで、自分だけの一本に

Lesson note

お気に入りの万年筆が見つかったら、さっそく使ってみましょう。最初は少しドキドキするかもしれませんが、コツさえつかめば、そのなめらかな書き心地にきっと夢中になるはず。

今回は、万年筆の使い方の基本から日常のお手入れ方法まで、わかりやすくご紹介します。

How to Use

万年筆にカートリッジインキを入れてみよう

万年筆を使うときは、まずインキを入れることから始めます。
最初は、簡単に装着ができるカートリッジインキがおすすめです。

準備するもの

  • 万年筆本体
  • 好きな色のカートリッジインキ
  • 試し書き用の紙
  • さらしなどの柔らかい布(ペン先に付着したインキを拭き取るために使用)
01

キャップを外して万年筆の軸を回し、外します。
ペン先を上に向け、カートリッジインキの太い方(栓がついている方)を首軸に、回さずにまっすぐしっかり奥まで差し込みます。

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ペン先を下に向け数分間待ちます。
新品の万年筆は、ペン先からインキが出るまで少し時間がかかることも。そんなときは、ペン先を下に向け布の上で、カートリッジを指でそっと両側から押して、インキの流れを促してあげて。

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試し書き用の紙に万年筆で書いてみて、インキが出てきたらセット完了。なめらかな書き心地を実感しながら、思う存分に文字を書いてみてください。

万年筆の書き方

万年筆のペン先には「表」と「裏」があり、刻印のある金属面が「表」です。「表」を上にして書くことで、毛細管現象を利用して、インキがペン先からなめらかに流れます。

万年筆は、ボールペンよりもやや寝かせて書くのがコツ。ペン先を紙の上にのせて、紙との角度を45~60度にして書くと、筆圧をかけなくてもスラスラとペンが走ります。力を抜いて紙の上をすべらせるように書いてみましょう。

キャップの扱い方

万年筆のキャップには回しながら開けるタイプと、まっすぐ引き抜くタイプがあります。まっすぐ引き抜くタイプは、そっと開けるのがコツ。勢いよく引くとインキが飛び散る場合があるので注意。
書くときにキャップは、後ろに差しても、外したままでも大丈夫です。日本ではキャップを後ろに差して書くことも多いです。一方、欧米では後ろに差さずに、キャップを手に持ったり置いたりして書くスタイルが主流。自分の好みや書き心地に合わせて、好きな方を選んでくださいね。

持ち歩くときのポイント

万年筆を持ち運ぶ際は、ペン先の方を上にしておきましょう。ペンケースやバッグに入れる場合も、できるだけペン先を上向きにして持ち運ぶことで、ペン先に溜まったインキが振動で飛び散ってしまうのを防ぐことができます。また、落としたり、強い衝撃を加えたりしないよう注意しましょう。

保管・お手入れ方法

万年筆を長く愛用するためには、適切なお手入れが大切です。

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保管方法

万年筆を保管する際は、キャップをしっかり閉めましょう。これにより、インキの乾燥を防ぎ、ペン先の保護につながります。
長期間使わない場合は、万年筆からインキを抜いて、ペン先を洗浄してから保管してください。インキを入れたまま眠らせておくと、インキの成分が固まり、ペン先や内部の溝を詰まらせてしまいます。

PILOTの豆知識

飛行機での移動時は、気圧対策としてインキを満タンにしておくとより安全です。

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インキの出方が悪くなってきたとき

もしもインキがまだ残っているのに文字がかすれたり、インキが出にくいと感じたりする場合は、湿らせた布やティッシュにペン先をそっと数秒触れさせて、インキを誘導してみてください。それでも改善されなければ、ペン芯にインキの成分が詰まっているかも。水で洗浄して丁寧にケアしてあげましょう。

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洗浄方法(カートリッジの場合)

インキの出方が悪くなってきたときや、インキの色を変えるとき、しばらく使わないときは、水洗いが必要です。
軸から首軸を外し、ペン先のある首軸部分をコップの水に半日~1日浸けた後、ペン先を下に向け、水道の蛇口で水圧をかけて洗い流します。インキは、ペン先や本体を乾かしてから入れましょう。熱いお湯は素材を傷める原因となるので、水の温度は常温~ぬるま湯程度にしましょう。

毎日の書く時間を、
万年筆とともに

万年筆を使い始めたら、一文字でもいいので毎日書いてみて。日々使うことで常にインキがペン先に流れるので、最大のメンテナンスとなります。
また、万年筆は使い込むほどにペン先があなたの手や書き癖になじんで、世界でただひとつの書き味へと育っていきます。特別なひとときを提供してくれる万年筆とともに、ぜひ豊かな時間を過ごしてください。

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